つながりで築く、生き生きとした農業

有限会社小国町農業振興公社は小国町産のお米やお野菜を使って、お餅やお味噌、お菓子を製造している会社です。
今回は、農業振興公社の代表取締役を務める、髙橋潤一さんに、立ち上げの経緯や想いについてお伺いしました。潤一さんの大切にしている、つながりを作って、生き生きと農業をしていきたい、という想いに通ずるお話を聞くことができました。

新商品のキャンプもちと秘伝豆ポリポリを手にする髙橋潤一社長

立ち上げの目的

平成9年、有限会社小国町農業振興公社が立ち上がりました。
農業振興公社は小国町の農家も含めて15軒の団体が出資をしてできた、まさに農業事業者のつながりからできあがった組織です。農業振興公社立ち上げには、二つの大きな目的があります。
一つは、冬の農家さんの副業とするためです。雪深い小国町では、冬期間にはやれる作業が少なく、副業として加工の仕事ができたら良いなと考えました。
二つ目は、地域の高齢者の働く場所とするためです。農家さんと高齢者の方が一緒に生きがいづくりもできるようにと、まずは農産物加工を町と一緒にやってくれる株主をつのり、農業振興公社は、できあがりました。


試作の日々
農業振興公社設立後、お餅とお味噌の加工をメインに事業がスタートしました。そのうち、お味噌は設立以前から、仕込みの委託を受けていた過去があり、余剰に生産されたお米を使用したりしながら、経験を積んでいました。そのため、元々の知識も使い、お味噌生産はすぐに軌道に乗りました。

リピーターも多く、町内の人もお土産にするなど、人気商品

しかし、ノウハウがあったお味噌と違い、お餅の生産は完全な素人。地元の人のお米を使って、みんなに食べてもらいたいという想いはありましたが、商品化に時間を要しました。
研修をしたり、試作を繰り返すことで、やっと商品が完成したときには、会社設立から、2年が経っていたそうです。
苦労を重ね、愛されるお餅になった農業振興公社のお餅。販売開始から20数年経った今でも、当初の「地元の人のお米を」という想いは変わらず、会社に関わる方で米生産を行っている人がいれば、その方から買い取って作っているそうです。農家さんと農業振興公社の優しいつながりを感じます。

多くの方の努力があって、現在のお餅に。

小国町で愛される企業になるまで
今では、小国町の家庭の味になった、お味噌と年末・お正月の販売会では売り切れ続出のお餅ですが、小国町の町民に受け入れられるまでにも、時間はかかりました。

今年のもちの市。毎回行列ができます。

直売を何度も行い、売上と認知度の向上をはかったり、小国町中心部にあるショッピングセンターアスモの駐車場にテントを張って売り込みをしたり、できるだけお客様の顔を見て、農業振興公社の取り組み、小国町の農作物の美味しさを広めていきました。元々町内に根付いた農家さんが集まって作った会社だったこともあり、町に馴染み、愛されるようになりました。

長年小国町内での販売を行ってきました。

農業につながりを求める理由
代表の潤一さんが農業を始めるきっかけは、小さい頃から見てきたご両親の働き方に関係しています。
ご両親も農業に従事していて、小さい時から農業を手伝っていた潤一さん。ですが、冬に仕事がなくなると、町へ出稼ぎに行く父と、朝から雪かきをしている母を見て、自分はこんな働き方はいやだと感じていたそうです。

そこで、現在は米生産などだけではなく、通年働ける、黒毛和牛の繁殖をはじめ、養鶏も行っています。新しい領域に挑戦するにあたって、勉強をしていくことで、有機農業や資源循環のことにも興味がわいたそうです。町の魚屋で廃棄されるアラや豆腐屋で余ったおからを発酵させて鶏の餌にするなど、町のみなさんとのつながりも生まれて、とても楽しそうに話してくれました。

これからも挑戦を続ける
過去にも、小国の郷土菓子「からこ」やポン菓子、豆菓子等の商品開発を行ってきました。
お餅はどうしても年末年始以外の売上が落ちてしまい、夏の消費が少ないため、冬以外にもお餅を楽しんでもらえるよう、流行のキャンプに目をつけて、今年はキャンプもちを開発し、メディアから注目を浴びています。

このように、季節以外でも小国町の特産物を楽しんでもらえるよう、農業振興公社の挑戦は続きます。

取材:地域おこし協力隊 西村 美祈

 

\髙橋潤一さんの農業振興公社の商品をご紹介します✨/

キャンプもち【4種セット】|ネコポス送料無料

販売価格:1,450円(税込)

秘伝豆ポリポリ 塩・甘・辛味 3種セット

販売価格:1,300円(税込)