つながりが導いた場所「おぐに」 – 山口ひとみさん –

訪れた私たちをとびっきりの笑顔で迎えてくれたのは、山口ひとみさん。
現在たかきびを中心とする雑穀を栽培し、それを使った食品製造を手掛ける旬彩工房のだいひょうを務めています。

仕事に家事育児と、休む暇なく働き続けるひとみさんのパワーの源とはなんでしょうか。

 

2016年に新登場した「つまむ穀つぶグリッシーニ」。山形県の土産コンテストで最優秀賞を受賞!

 

ひとみさんと小国の「縁」

ひとみさんは鳥取県の出身です。
東京の短大を出て、そのまま東京で就職しました。

しかしひとみさんにとって、東京での暮らしは決して居心地の良いものではありませんでした。
仕事が忙しく残業が続くと、食生活の乱れに伴って健康状態も崩れてしまうのです。

本来人の体と健康を支えるはずの食が、逆に悪影響を及ぼしているのは本末転倒。
東京での食生活に疑問を持ったひとみさんは、次第に食、健康への興味を深めていきます。

勉強会になどに積極的に参加するうちに、色々なつながりが生まれていきました。
その中で雑穀に関するセミナーに参加した縁が、ひとみさんを小国へと導きます。

 

 
一躍人気商品に。まちなかのお土産店などで販売されています。
 
 
人に恵まれた小国生活
雑穀に関するセミナーへの参加をきっかけに、小国町とご主人である満(みつる)さんに出会い、小国町で暮らすことになります。

もともと縁もゆかりもない土地で生活を始めることは、文化や考えの相違など立ちはだかる壁も大きいのです。

 

しかし、ひとみさんはそれほど苦悩したことはないのだそうです。

その理由をひとみさんは「人に恵まれていたから」だと言います。

 

旬彩工房は、ひとみさんの友達やご近所などまわりの人たちを中心として顧客が広がっています。
商品を買った人が、ひとみさんの食へのこだわりや考え方に賛同し、他の人へ伝えてゆくのだそうです。

 

そしてひとみさんも、つながった人との信頼関係を大切にし、相手を思って心をこめて商品を作っています。

 

このつながりの輪は、いつも明るい笑顔と挨拶を欠かさないひとみさんの人柄とも相まって、どんどん広がっていくのです。

 

信頼関係をもとに、安心安全な食生活をお客様に提供する。
そんな熱い思いが、小国の自然とともに今日もひとみさんを輝かせます。

 

山口ひとみさんのたかきび畑の前にて

 

取材:早稲田大学 北原朋実(2017年8月)